2007年7月30日月曜日

オヤ、また籤?

 80年代初頭、未だ若かりし頃、何故か周りの人が好きだった尾崎豊が余り好きではなかった。60年代のヒッピームーブメントや反戦ソングを乗り越えた上の歌詞、演奏で流行となった一種快楽追求的なフュージョンやAOR、西海岸系ロックが好きだった僕から見ると、ものすごーく不自然だったし、先ず、歌詞が直情的で気味が悪かったのだ。今更何言うてんねん、という。

 しかし、友人から聞かせて貰った、小山卓治は、なんかは今でも好きで聴いている。

 ライブハウス、というものに始めて足を運んだのも彼が一番最初だった。角松と卓治、この2人は僕にとってものすごい共通点がある。

 先ず、独自の詩世界を持っている。それは彼らにしか出せないもので、彼らのサウンドを比べても全く意味が無い。
 2点目、環境や時代に恵まれておらず、知る人ぞ知る存在であり、2人ともミュージシャンズ・ミュージシャン的な存在である。(勿論、角松の方が売れているが、それがなんとなく卓治らしい)
 3点目、卓治を聞く人は角松を全く認めないだろうし、角松を聞く人は卓治ファンなんか歯牙にもかけないだろう、という点

 よくわからないが、上記3点を含めて、日本ではこの2人が僕にとって最上級のシンガーソングライターなのである、という点。角松が陽とするなら、卓治は陰であり、その逆でもある。

 うーん、卓治が詩を書いて角松が曲とアレンジした歌があれば、もう、それ、すごい事ですよ。絶対実現しそうもないけど・・・

 音楽的なニアミスでいうと、角松の「存在の証明」の「週末」という曲で、卓治バンドでドラムだった河村"カースケ"智康氏が叩いているし、何処にでもいる労働者の「週末」を描いている所なんかは、卓治に通じるものがある。

 また、角松プロデュースで歌った、吉沢梨絵 嬢の「SWEET REVENGE」では、卓治バンドのギター兼アレンジャーだった、原田末秋氏が、ギターで参加している。梨絵嬢のその後のシングル「終われない理由~CUBE~」でも競演してますね。

 角松は、サウンド面のカタルシスを作らせたら右に出る者の居ない秀才だとすると、卓治の作る歌は、まるで映画のワンシーンを見ているような、素晴らしい映像表現を歌詞で再現してしまう天才である。もし、このBlogを見ている角松ファンが居れば、卓治の楽曲に触れて貰いたいし、その逆もしかり、なのである。

※ちなみに表題は、小山卓治を売り出す為に、事務所がとった販促作戦の一つ(らしい・・・)

小山卓治必聴アルバム(つうか、すっげープレミア。だったらはよ再販しろよばかやろう)

1983 1st NG!
1984 2nd ひまわり ※ドラムにカースケ氏参加
1985 3rd Passing ※原田末秋氏ギター、アレンジで参加。超超超超名盤!!
1986 4th The Fool ※原田末秋氏ギター、アレンジで参加
1987 Live On The Move
1989 5th 夢の島

「ねぇママ、僕の事、諦めただなんて嘘だよね?」そんな詩を歌に乗せる事が出来るのは卓治以外にいないハズ。