2007年12月26日水曜日

昔のはなし-ではない

 2日連続でのBlog書き込み。うーん。ヒマなのか。いや、最近新しい仕事のペースにも慣れてきたのかもしれない。

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 中日新聞にのった記事がまたまた興味深い。船絡みの国家間問題という点では、豊進丸の噺が記憶に新しい。この時は、国際海洋法裁判所にロシアの法廷での結論を持ち込む形で手打ちにしたのがプロセスだったが、今回の件はどうだろう?

 今回の噺の起源は1936年(日中戦争勃発前年)で、当時の「大同海運」の流れを組む、商船三井(東京)に対し、中国の上海海事法院が、約1億9000万元(約29億6000万円)の、未払いの船舶賃貸料を含む賠償支払いを命じる判決を言い渡したものとの事だ。しかし、実際に借り受けて使用(その後沈没)したのは旧日本海軍である。
 商船三井側は「船は軍に徴用されたもので、賠償責任はない」と主張したが、上海の海事法院は、船舶の不法使用と賠償責任を認めたという。

 谷内外務事務次官さーん。またまた手の内を見せて下さいね。今度は、国際海洋法裁判所に持ち込む内容でもない気がするが、単に民間の訴訟という面では国が乗り出すのもおかしいのではないか、等とノセられずに、当然フォロー希望。
 この判決は中国の国家機関である裁判所が出したものなので、日本の国家機関の見解は常に求められるわけだ。日本の裁判所は、三権分立を保った政治とは無関係な公正な機関なので、現在の世情にあった見解を聞きたい気もするよ。

 あと、豊進丸の件では、国会答弁でイカす回答をしていた、2chで大人気の麻生元外務大臣だったが、今度の高村正彦大臣は、どんなイカす回答をしてくれるのか(はたまた質問すらされないのか)、少し期待、と言うか、彼の回答で人間性を見てみたい(まぁ回答自体は外務省の専門家が作る話なんで、喋り方、気の配り方に着目してみよう)

 高村氏と言えば、この人も元外務事務次官で、現事務次官の先輩にあたるが、「理論派」、「党内での面倒見はイマイチ」みたいな、ともすればガチガチな感じでプロフィールがネットで探せるのが気になるなぁ。

 最近の答弁で、総理の訪中に関して、「戦略的互恵関係をより両国民に、或いは全世界に発信するということが最大の目的ですから、それに必要な諸々の、例えば両国民の交流の問題を更に深めようといったことについて、両首脳は話し合われると思っています。今からあまり予告編をやることはないでしょう。」と、言ってますが、これって予告戦前の中国サイドの置石みたいなモンなんだろうか?

 噺を元に戻して、ただ、この沈没した船の中に、日本人や中国人の人足が強制的に乗せられて過酷な労働を強いられていた場合は、可愛そうなので、三井商船には大人な対応をとって貰いたいと、個人的には思うのである。

・・・あ。朝鮮人を忘れてた。

2007年12月25日火曜日

そろそろ今年も終わりの秒読み開始ですね

 イスラエルとロシアを繋ぐ線が急速にクローズアップされたのは、佐藤優氏の「国家の罠」以来では無いだろうか。所で、CNNの日本語記事で、「イスラエルとロシアで入国ビザ撤廃」とのニュースが12月21日の夕方に流れた。これは、経済・政治の、ともすれば「人」による連携を、表に見えていた米国に加え、ロシアとの表立った友好関係を、内外に知らしめる内容だと思う。そして、時期を同じくして、読売新聞の記事で「イスラエル入植地に住宅計画」という記事も出た。
 その中で、「『将来、自国領となる地域での住宅建設は当然の権利』(タミール教育相)との立場」との引用もあり、これではちょっと煽り過ぎではないのヨン、と穿った見方を反省させられたりもするのだが、事前情報をリークしだしただけかもしれないので、案外、狙っているのは本当に「ソレ」なのかもしれない。国力とは、ドル換算したGNPでは無く、言い換えれば、働く人の力である。であれば当然、母体は大きければ大きい程良いに決まっている。但し、その国に住まわせられる土地があれば、の噺である。これはまたしても、脅しであるが、ずっと彼の国が実施してきた事なので、やらないとは言えない。外交手順と土地管理の部署がいがみ合っていなければ良いんですが・・・。

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 あとまたしても読売見てたら、「『フランダースの犬』日本人だけ共感…ベルギーで検証映画」という記事を見つける。
 文化人類学大好きな白人の分析病なのでほっとけばいいのだが、リアルで、アニメ見てた世代としては、「えっ!そうなの!?」とちょっとびっくり。ただ、「滅びの美学」って・・・。「菊と刀―日本文化の型」の影響って濃いーなー、と改めて感じ入るねぇ。

 その2作品を見た子供の頃の自分的には、アレは「滅びの美学」っていうか、単に可愛そうじゃん、っていう感覚でしょう。
 所で、欧米では、「蛍の墓」ってダメらしい。自分が無力で、その無力が元で死ぬ事に耐えられない、だから力と知識を付けなくちゃ、という、根本的な考え方だと、「フランダースの犬」の最後にしろ、「蛍の墓」の最後にしろ、ものっすごく欝になる事は確実なわけで、例えば、家にいる楽しい時間になんでわざわざ欝にならなアカンの?というこれもまた根本的な質問の回答にはほど遠い。

 ただ、そんな簡単な回答だけでは済まないのが人間社会だし、子供の頃、そうゆう主人公を見て、「可愛そう」、「何で死んじゃったの?わからない。誰か教えて(でも誰も教えてくれない)」ってトラウマが残るのは、あながち悪い事でもない気がする。
 まぁ、白人から見れば、そんなの見るより、知識と力を自分で身につける努力をしろ、それについていけなければ、「あぁゆうふうになるぞ」って考え方が主流なら仕方ないですね。

 しかし、大人になった今、その2作品を思い起こしてみると、悲しい話というよりは、「仕方の無い話」である、というのが大体の日本人の考え方だと思うけどなぁ。だから、「滅びの美学」では大抵の日本人はしっくりこない。それは欧米流の言い方で、日本的には、「無常観」って所ではないでしょうか。それら辺は、誤解され易くても、「仕方がない」ですネン。

 つーか誰かそろそろ、「平家物語」と「方丈記」をしっかり白人の文化人類学者に教えてあげりゃいいのに、とも思います。あれは歌にも通じる独特の「韻」があり、それを興じる事が、「美学」として捉えられがちなだけで、本当の意味は、その漢文体の奥の奥に、心で感じる「何か」を理解するものだと思うので。そして、それを「思う」事が大切な事なんだと、って所か・・・。「無常観」は「無常観」であって、「滅びの美学」ではないのである。

※今回の「蛍の墓」のamazonへのリンクは、あえて、"com"の方を貼ってあります。これは、作品購入を米国からしろというわけではなく、"com"の方のレビューを見て欲しいからです。なかなか面白い。ちなみにレビュー数は、2007/12/25現在で、571件。すごすぎる。これで面白い、と思ったら、UK等、他の国のレビューを読むのも一興です。

2007年12月16日日曜日

カドマツ立てて・・・

 2007/12/14(fri)、カドマツさんのライブに行く。昨年でたアルバム「Prayer」のリベンジ(何の?・・・ふへへ)ライブである。1階席の奥の真ん中よりちょい左寄りだったんですが、ステージが見渡せて中々いい感じ。

 ・・・と思っていたら・・・、左隣に蕪と牛蒡の化け物が座る。右の方は一人でいらっしゃっていた様ですが、終始楽しそうだったんで良かった良かった。

 で、蕪と牛蒡ですが、5分前に着席したと思ったら、終始喋り倒し!よっぽど「頼むから歌ってる時位は黙ってろ!」と言ってやろうと思いましたが、前も後ろもそんなのばっかり。紙飛行機織るは、グダグダうるせーわ、最悪だった・・・。と愚痴を言っても始まらないか・・・。でも最低だったのが、曲の途中で泣き出す始末だったのは、まぁいいかってなモンだったのだが、アンコールでは一切手拍子ナシ。ヘラヘラグダグダ。

 あぁ折角の、1年に1回行けるかどうかのライブがぁぁぁ・・・

 とは言え、パフォーマンスは最高でした。やはり2年越しのライブで演り慣れた感があって素晴らしいタイミング、演奏、歌。
 昨年、Steve Gadd氏が来た時、縁あって2公演見たんですが、その時の張り詰めた空気感もいいっちゃいいんですけど、今回は、流れる川の如きスムーズな流れで、見ているこっちも、演る事はわかってるんだけど、楽しい。なんか歌舞伎とか落語を見てる感じに近い(オチはわかってるんだけど、舞台には一期一会のパフォーマンスがある)、そんな幸せな一時でしたよ。(蕪と牛蒡の件を差し引いたとしてもだ)

 アンコールを含め3時間を越すライブ。楽しかったナ。翌土曜日は、今月出たアルバム(既発曲リアレンジ+新曲1曲のバラッド集、所謂、企画盤)のライブだったのだが、ファンクラブ予約で今回は取らなかった。何故かと言うと、バラッド集との事で、おばさん達の集いに拍車がかかると思う等、気が進まなかったからである。色々Webでどうだったか調べると、行かなくて正解だった様だ。
 最近角松氏の商魂は逞しいので、DVDと迄はいかなくてもライブCD位は出してくれるかもしれない。それを待とぉーっと。

 所で、何回も聞いている「浜辺の歌」だが、今回、ちょっとアレンジ変えたのかな。前奏がいつもより長めだった様な・・・?あと"If You..."。今回は'80年代初頭のフリーソウルっぽいアレンジで。キーボードの森さんの趣味なんでしょうが、同じ様な音楽を聴いて育ってきた人達が観客に居るので存分に面白がれてる事でしょう。最後のキメは達郎氏の「ついておいで」かと思ったぜぃ・・・。rhodesがオサレ、女性backing vocalの、"ちゅっちゅっちゅうぅいぇっ,Do You Wanna Dance Tonight~"とか、'80角松の代名詞"Do It,Do It..."も美しかったよん。

 しかし、やはり特筆すべきは今剛。恐るべし。うますぐる・・・。もう「月のように星のように」のソロは、彼のしか聞けねぇべ・・・。

 それとあとあと、故・浅野祥之氏のバンドが原曲の、「サンタが泣いた日」のac-pのみでとか、他にも見所一杯の素晴らしかライブでしたとさ・・・。

■2007/12/14(fri) Player's Prayer Return's in 中野サンプラザ Set List
01:UGAM
02:Movin'
03:恋の落とし穴
04:You Made It 
05:Still know nothing at all
06:アイシテル
07:かなし花
08:Always Be With You
09:Smile
10:Trippod Interlude(Trippod)
11:IZUMO(Trippod)
12:If You(T's Gang)
13:八月踊りの島(T's Land)
14:サンタが泣いた日(piano duo)
15:SOBAE
16:Liqure!!
17:痴漢電車
18:My Sugar
19:Mannequin
20:浜辺の歌
21:Take You To The Skay High
22:Prayer
23:月のように星のように
24:黙想

※"Smile"のイントロ、「目を閉じてェ~」って始まると、どうしても「何も見えずゥ~」って思ってしまうのは俺だけだろうか・・・

2007年11月11日日曜日

アタマを使うだけの人たちとはもうやっとれませんわー

 すっかり忘れてたんだが、今月5日にイスラエルとパレスチナのアッバス議長が和平会談するって話題を1ヶ月に渡り宣伝しておいて、やる前から望み薄だの、米ライス国務長官がイスラエルに入っただの何だの言われてたんだけどどうなったんだろう。(無責任)
 で、いきなりイスラエルのモファズ副首相が、イランの核開発問題を巡って、「国際原子力機関(IAEA)のエルバラダイ事務局長は交代すべき。無責任で行動が遅い。同事務局長の手法は世界を危険にする」などと強く批判とのこと(日経)。

 これはまぁ和平会談は文字通り失敗したって事でしょうね。茶番劇を重ねて事実より予想やイメージを優先させ、イラン攻撃の糸口を探りたい思惑もあんだろうけど。

 所で米国では、先月末に連邦準備制度(連銀)が10月31日に0・25%の利下げをした。ドルの上下で日本の円は、なんて事はおいといて、自国の一時的なインフレ悪化を作為的に行い、失業率を上げ、同時にナショナリズムを煽る事で、仮想敵国との戦争の為のコマを失業者で埋め、一定数に達したら元に戻そうって腹ではないか、等としょうもない事も考えられるなぁ。
 一時的なインフレなら、それを越えるだけの財産持ちの線を仮定すれば、裕福な一定層であれば乗り越えられる。その線が人口比率上どこにあるかは不明ですけど。
 で、イスラエルが四面楚歌なので、イスラエルはIAEAを非難する事で、自国の正当性を煽り、アメリカでは一時的なインフレという事で、自国のナショナリズムまたぞろ高めて、正義の刃をまた振り下ろす算段なだけかと思う。

 米国では、仕事がなければ、陸軍に、っていう風潮がまだあるんだろうか。ラッキーで日本に来れれば日本人の女の子をやりたい放題にできますね・・・

 グローリーグローリー、ハーレルーヤーってか。(Wayman Tisdale,Glory Glory/album "Hang Time")

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BGM1:Wayman Tisdale Hang Time

BGM2:山中千尋 ラッハ・ドッホ・マール

2007年10月22日月曜日

面白い事言うなァ

 色々海外系のニュースを読んでいるのだが、長引いているのが、イスラエルのシリア空爆の件である。北の家族(爆)製の原子炉だったって話(ニューヨーク・タイムズ-読売新聞 '07-10-14)だけど、中々乗ってこないスね。シリア。ただ流石に、日本に置き換えてみて欲しい。
 勝手に飛行機が飛んできて理由がどうあれ原発空爆されたら周辺住民の皆さんや首都圏在住のあっしだって困るよ。
 世界中から(ある一国とその属国を除き)さらに孤立するイスラエル。でも絶対勝てない。

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 日本の記事では、「米海兵隊岩国基地の隊員4人が女性を集団暴行したとされる事件」があって、で、それを受けて、広島県知事が、

 文章1「朝の3時ごろまで、盛り場でうろうろしている未成年もどうかと思う」
 文章2「(続く)んでありますけれども、米兵による暴行事件が起きました。誠に遺憾であり、強く抗議したい」

 と言ったとか。
 で、おきまりのように文章1が色々なトコロの見出しで使われてる。自分の周りで、大人になっても、「お前、それ言っちゃお仕舞いだヨ」という事を平気に口に出す輩が多いんだけど、育ちを疑うっていうか、馬鹿正直だなァって感心します。

 「これに懲りて・・・」って話は面と向かって地味にやれっての。米兵ったって数え年幾つでどんな生活環境で軍隊に入った人達なんだろうねェ。あと小娘、こいつらが夜鷹まがいでウロついていた理由は?生活感の無い、「人権」だけ一人歩きしている、何とも奇妙な話だよ全く。

 こんな人には、火付盗賊改方、鬼平親分の爪のアカでも呑んで反省して貰うしかないネ。呑めないなら、1巻から全24巻全部揃えちまいなさいってなもんだ。

2007年10月21日日曜日

Speak In Music

 BSフジで、東京BNから特定のミュージシャンをピックアップしてライブ映像と流す、という番組「Speak In Music」が始まりましたネ。毎週土曜日の23:30から。

 嬉しい・・・。だってBN東京の入場料&ドリンク代高いんだもん・・・。

 記念すべき第一回放送のゲストは、Dave Kozでした。Dave Kozのライヴ映像は、自分の知る限り去年の東京Jazz2006しか無いからなー。全4曲放送されました。30分番組だから仕方ないか。パイオニアの1スポンサー枠だからかなー。せめて1時間枠にして欲しい。フュー系は20分位の演奏なんてザラにあるんだからサー。

 まーでも、週1でこの手の番組がある事自体奇跡的だからな。良しとしよう。頑張れジョン川平、とテンションの異様に低いアシ女。にしても、Dave Kozは10枚もアルバム出してねーと思うんですが・・・。

 Bandは昨年の東京Jazz2006とギターを除いて同じメンバでした。つうかWas Not Wasの人かナ?同名異人か?。あとキーボードのBrian Simpsonはアルバムだしたますよね。It's Smooth Jaaaaaazz。

/b:Bill Sharp/g:Randy Jacobs/keys:Brian Simpson/dr:Stevo Theard

 トコロで、僕の持ってるKozさんのCDは以下。
Dave Koz
Lucky Man
The Dance
Saxophonic
At the Movies

2007年10月17日水曜日

東京JAZZ 2007

 NHK-BS hiで、一昨日から4夜連続で、先月、From有楽町、国際フォーラムで行われた「東京Jazz 2007」のダイジェストが放送されている。
 2006は、デイヴ・コズ、ハンク・ジョーンス、マーカス・ミラー、オースティン・ペラルタとか、新旧ベテラン売線取り揃えられた布陣で、しっかHDDに録画して愉しんでますが、今年は何となくディープな感じですね。

 ランディ・ブレッカー、ビル・エヴァンス、ハイラム・ブロックのバンド、マイク・スターンバンド、ジョー・サンプルの歌モノとか、Jazzって言うよりフュージョン寄りです。それ自体は、自分、そっちの方が好きなので全然OKです。名前の売れ筋で言えば昨年の方が上かなぁ。
 ・・・にしても、ランディ・ブレッカーとハイラムは、Heavy Metal Be-Bop(紙ジャケ&リマスタ)とか24丁目バンドのCDのジャケットからは想像もつかない程膨れ過ぎ!あのお腹の中には何が入ってるんだろう・・・貫禄ありすぎでしょー。

 マイク・スターンは老けた感が否めないし・・・でも、TVの音を聞く限り、出てくる音は一発でマイク・スターンだと分かる音なので微笑ましい。
 3日目の放送は、松居慶子さんが有名どころか。CD1枚も持ってないんだな。これが。旦那のは昔貸しレコで借りたのをテープにダビングした奴がどこかにある筈だったが探す気はないれす。
 残念だったのが、NHKの放送PG見る限りでは、ブルー・ノートで演ったエリック・ベネイが無いぞ。うーん。残念。あとスクエアはどうかと・・・。

 まぁ、ともかくJazz/Fusion系の番組自体希少なので、こうゆうのを放送してくれるNHKさんに感謝するか。受信料くらい払うよ。

【追記】
 エリック・ベネイさんは3日目のトリで出てきましたねー。つうかこうゆうフェスに行く人の層には合わないじゃないか・・・。私は愉しめましたけど。

 ただ流石にダイジェスト感は否めなかったなー。数日に渡るイベントじゃしょうがないですネ。

 来年は行こうかなー。

【エリック・ベネイ情報】※ひつこい?
 良く知りませんが、東京Jazz2007でSAXのMichael Pauloもからかっていましたが、女性に厳しいようで雑誌を賑わしたようすネ。Mな女性が好みなんでしょうか?まぁいいか。
 で、Take_dが彼を知ったのが、またまた、Jeff Lorber絡みで、90年代彼の最初のアルバム、"Worth Waiting For"に入っていた、"Lost With You"という曲で知りました。1曲しか歌ってないのですが中々良い。じゃぁソロアルバムでも、と探してみると、"Lisa&Eric"という兄妹(姉弟?)名義のアルバム"Benet"があったので、それを米Amazonで購入。2ドルくらいだったよ。日本Amazonじゃエラい値段ついてますが。聴くと想像通りのJeff Lorberサウンドで満足。で、彼のソロアルバムにも手を伸ばしてみたんだけど、アコギでR&Bやるような今風の音作りだったんでちょっと食傷。
 ただ、Jeff Lorber絡みでゲストバックグラウンドボーカリストとしてのスカしたAOR/R&B風発声だと、特徴のあるエロ声なので女性ファンならすぐつくんじゃないだろうか。東京Jazz2007とかでファンは増えたんですかネ?

 それはそうと土日を利用してHDDレコーダに録画した音源から通勤用iPodにデータを入れる作業をしました。よさそうな音源をピックアップして、一度Hi-MDにPCM(ま、元はAACだけど)で録音して、PCへ。そしてタイトル編集やら何やらしてWAVへ。で、そのWAVをitunesにブチ込んでまたAAC(今度は128)に変換。東京Jazz2007のHPからタイトル画像を貼り付けて終了、ってトコなんですが、これがあーた時間かかるんですよ!!楽しいけど。

 あとやっぱり完全放送版希望・・・。なんとかならなイですカ。NHKさん。。

一応、Song Listを書いておこうかナ。
■Soul Bop Band
/tp:Randy Brecker/sax:Bill Evans/dr:Rodney Holmes/b:Chris Min Doky/g,keys:Hiram
Abobe & Below,Big fun

■Special Band
/tp:Randy Brecker/sax:Bob Mintzer/dr:Dennis Chambers/b:Abe Laboriel/g:Mike Stern
Common Ground,Rocks
※ Bob Mintzer良かったですよ。弟と比べてはダメです。彼とは別人。最後の「アリガトゴジャイマシタ」ってゆうランディがいい。

■Mike Stern Band
/g:Mike Stern/sax:Bob Franceschini/dr:Dave Weckle/b:Chris Min Doky
Chatter

■Mike Stern Band 2
/g:Mike Stern/pf,org:小曽根真/dr:Dave Weckle/b:Chris Min Doky
Tunble Home,Ha Ha Hotel
※Tunble Home!!コレすごい20分近い熱演!よくTV放送したよ。

■Joe Sample Band
/pf:Joe Sample/vo:Randy Crawford/dr:Johnny Vidacovich/b:Nicklas Sample
Almaz,Street Life,Last Night At Danceland
※ 最後のLast Night At Dancelandがリリカルで好き。アケマシテオメデトーって・・・

■Lee Ritnour Band
/g:Lee Ritnour/keys,per:Patrice Rushen/dr,per:Alex Acuna/b:Brian Bromberg/sax,per:Bill Evans
Lil' Bumpin',Waters Edge,Foget Me Nots
※ B.Brombergは昨年BN東京でブったま気つつ見ていたので期待して見ましたよ。あとP.Rushenの名Free Soulが聞けるとは・・・。楽曲的には、Waters Wdgeが気に入りました。CDをAmazonで注文!してしまった。

■Bob James Band
/pf,keys:Bob James,松居慶子/sax:David McMurray/turn table:Rob Swift/dr:Ron Otis/b:Al Turner/g:Perry Hughes
Nautilus,September Song,Westchester Lady

■Michael Paulo & Eric Benet
/vo:Eric Benet,Belle Johnson/sax:Micahel Paulo/dr:Sergio Gonzalez/b:Melvin Davis/keys,vo:Mark McMillen/keys:Brian Simpson/g:Fred Schreuders
Spanish Fly,Spend My Life With You,Georgy Porgy

2007年10月11日木曜日

米欧新進ギタリスト対決




と言っても、Smooth界の話なので興味の無い人にとってはどってことない話なんだが、Jeff Lorber繋がりで、Les Sabler(米国/出:カナダ)、U-NAM(英国/出:仏)の2人のアルバムが最近お気に入り・・・。彼らの最新アルバムで共通しているのは、キーワードがAOR、Fusion、という点。綺麗なSmoothって言うよりも、フュージョンなんだなー。あと勿論、大才能Jeff Lorber御大、ボーカリストのRasaan Paterson氏カナ。U-NAM氏は、Street Life(By Joe Sample)をカバー、Les氏はArethaのDay Dreaming(Lutherプロデュースのアルバムに収録)、Les氏の方は同じカナディアンって事でDavid Packの"The Biggest Part Of Me"もカバー。この曲、10年位前にTake6が極上Flowなコラースチューンにして流行ったんじゃないかな。それはおいといてU-NAM氏の方は多分彼の心の師匠である御大のアルバムタイトルチューンに捧げた"Brezin' MA"なんてメロウなLosの週末的爽やか曲もある。
いやなんと言っても、2人のアルバムは気持ちいって点が一番'80s(初頭)してて僕好み。前述の名前や楽曲にピンときた人は、「買い」なのである・・・

アルバムタイトルもなんか笑う?いやソソるなー。
U-NAM "Back from the 80s"
Les Sabler "Sweet Drive"


こんな事を書くとやはり筆者はフュー野郎かと思われても仕方がないんですが、実は一緒にカントリー姉さん、From Nashbil、Deana Carterのニューアルバムもに手に入れて聞いています。今回はカバー集ですねー。Bob Dylanの"Lay Lady Lay"なんて懐かしい曲にたまげた。これ中学校1年生の時に、何故かフォークに嵌っていた時期があってよく聞いたなー。しかし厨房でフュー聞いたりアメリカのフォーク聞いたり楽しかったッス。

Deana Carter "The Chain"

2007年9月17日月曜日

ダメなコト

 中学生向け科学セミナーで行っていたマウス解剖が、市民団体の圧力と事なかれ主義の官僚の決定で中止になったという記事が東京新聞に出てた。
 つうか何コレ・・・。学校本体の授業でもないセミナーに迄口出すのはどうですか。やってみたい人対象なんだから良いのではないかと単純に思う。
 短絡的に「やってみたい人」=「動植物の生命を軽んじる人」ってコトなのかなぁ。だとしたら相当ばかげているように思うんやけどなー。生命にメスを入れるコトに快感を覚えるヤツが出て来たりすると困るとか?まぁそれならわかる気もする。中学生と言えど30年前の中学生と比べて今の社会は情報提供量が段違いだからねぇ。
 「セミナーに参加して迄解剖してみたい人」=「バカ親に育てられたサイコ厨」という図式も考えられなくはない、というかそんな事も視野に入れる余地があるってのも何だか悲しいね。
 僕自身は、解剖って確かやってない筈なんだけど、ヤレって言われたら可愛そう云々は置いといて「気持ち悪いからヤダ」ってのが本音かな。でもカナダなんかの先住民族がトナカイ捌いてたり日本の歴史的な食肉産業の人達や、勿論外科医さんなんかについては賞賛の想いしかないですね。
 でも彼らは生きる為にやっている、のであって学術的な事とはほぼ無関係だからなぁ。外科医さんにしたってそれで飯喰ってるわけだから生きる為って範疇だし。何も中学生がアカデミックで実践的な「解剖学」に触れなくてもいいような気もしてきた。とするとだな、扱うのが科学の範疇なら、中高校生には出過ぎた学問なんでないか、と。大学生レベルでいいのかしれない。大学生になれば各専門分野に分かれる訳で、5流短大の英文科に解剖学はイラネーよなー、ってなると、「解剖」でもし一つの生命が終わるのであれば、純粋なアカデミズムで生命を費やす事の意味は、中学生で知っておくべき基礎学問の1カリキュラムか、またそれが理解出来るかっちゅうと、なんとなく無理ではないかと思えるので必要ないかもしれん。
 ただ、将来的な医学や科学の為に生命を費やす事の必要性についての理解は即す必要があるかどうかについては考えさせる必要があり、その歴史的背景と実利については知識として、そのサル頭に放り込んでおいてやる事は大切だろう。で、1年間に中学生が使うラットの数を製薬会社や大学の研究室に回した方が社会の為って事もあるのではないか、とも思えてきたので、僕的結論は、

 「中学生に解剖学は理解できない。よってその市民団体の主張とは別に、ラット解剖の実践も中学生には必要がない。」

 って事カナ。その代わり家庭科の授業で、生きてる牛や鶏や魚を捌いて料理する授業を提案する。でどうだ。そして有難く食し、美味しいお肉と生命の尊さの狭間で「味」を知るのだ。

2007年9月8日土曜日

いとしのアナタ


 昔、ラジオから流れてきた電子ピアノ(Fender Rhodes)の音色にショックを受けました・・・。生まれて数ヵ月後から住んでいる東京は片イナカ。突然そう思った音楽でした。勿論曲名も知らず演奏者も知らず。

そんな所から出発し、演奏している人達は、"STUFF"。
曲名は、"My Sweetness"。
収録されているアルバムは、ずばり"STUFF"。

 時は'80's前半で、もうその頃はクソJPOPが幅を利かせ始めた頃だったのですが、ボクは彼らのグルーヴにぞっこん。何もかもが洗練され正にエレガント・・・。これこそ都会の中の都会、アメリカN.Y.の音楽なんだと思うですよ。バブル?六本木?あー田舎クセー。
 当時は厨房。シラフで聞いていましたが、現在、酒呑みながら聞くとまた格別。あぁ癒される。

 これの良さを早い段階で知れて本当にヨカッタよぉぉ。最高のスタッフが揃ったバンド、"STUFF"。こんな大それた名前、実力を兼ね備えたバンドは、もう2度と現れないだろう。

Steve GaddとRichard Tee(故人。人類の損失)。彼らは超有形文化人財。宝もの意外のなんだっつうネン・・・。

2007年8月21日火曜日

冷水

 なんかカミングアウトしたい衝動。特に自民礼参とか共産礼拝とかではないのだが、色々最近わからなかくなっている。という事は良い兆候だとなんとなく自覚しだした。

 このBlogをつけだした当初、約2ヶ月前になるが、どんな事を書こうかなーと思っていた矢先、iGoogleの国際ニュース系記事で目を引くものを好んで載せていたのだが、最近「ネトウヨ」なる言葉をさくさくみかける(ネトサヨはあまり見かけない)。

 勿論ニュースソースになるのは新聞のネット掲載記事なのだが、面白い記事(=センセーショナルに映る記事)は、産経と中日と東京新聞、AFP系の記事に集約されている事に気付く。朝日、読売、毎日はほとんど無い。

 で、よくよく調べてみると色々な噂がググれたりするので反省する事しきり。面白い記事はセンセーショナルで、当該内容について憤慨したり膝をうったりする事が多いので、一息呑み込んで租借する事がやはり必要な様だ。

 よくよく自分で考えて、という話は子供の頃から随分聞かされてきたのだが、よくよく考えるのは結構だが、1つの情報に対する、反対のもう一方の情報が無いかどうか、よくよく調べてみる、または、情報を一晩なり特定の期間寝かせてみて、あとでその問題に対して、自分なりの考えを示す事の重大さを最近思い知らされる。

 きっかけのHP(Blog)の主様にはお礼を申し上げたい。

※いやーはづかちィ。でもまた図に乗ってしまうんだろーなー。その時は、某主様のBlog見て頭を冷やそう。(厨な考えを徐々に変えていかなくちゃ、です)

2007年8月20日月曜日

覇権の行方

 太平洋の東西分割提案。すごい提案だ。中国やるなー。ただ日本とロシア3者で協議できるならアリかもしれない。主張する所はした方がいいのではないかと思う。しかしこの提案は・・・ちょっと先が読めない。ロシアは何も言わないんだろうか?これで中露戦争がアメリカとイスラエルの手で捏造されたら、それこそ「気分はもう戦争」じゃん。それはそれで面白いかも。うーん。ハチマキ、メガネ、ボウイー。

 産経のアジ記事と言い切れないんじゃないか?10年スパンで警戒しながら日本の利益になる方向で太平洋の権利を動かしていくのは悪い話しではないので、今後注視していく必要がある(えへへェ)。

 産経、すごい。よくこんな記事載せた!

追記:
 産経の記事をネットで読む時はWikipediaでその素性を眺めてからですぞ!(特に統一教会系記述)

※こんな事書かなあかんとは・・・

2007年8月17日金曜日

俺がうまい“冷や飯”の食い方を教えてやる

 産経の麻生外相、そして次期自民党幹事長最右翼の「評」が実に好意的である。

 にしても記事中の麻生さんの人柄を表しているセリフ、初めて聞いたが、なんとイメージが違うというか、中々面白い人物のようだ。しかし総裁って柄でもない気がする。

 我が道を行きながらなぜか後輩に慕われるちょい悪インテリオヤジって所か。そこはかとなく下品さも兼ね備え、なんとなく喰えない人って感じ?
 アレ、そこは印象かわってないなー。

 この記事見て思った事がもう一つ。
 この人クリスチャンだったんですね。佐藤優の産経連載でなんとなく好印象だったので(と、言っても、佐藤優はクリスチャンだからって贔屓する事はないと思うが・・・)なんか気になってたんで、ちょっと納得しました。なら、イスラムと組むよりユダヤ(イスラエル)と組むのは適任でさーね。

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 Jeff Lorber絡みで買った、Jay Sotoの"Stay a While"が、いーーーい感じ!

 ギターは、まぁBensonフォロワーなんですが、サウンド作りが、A Blue Sky In L.A.な感じで天気の良い日のドライブや、公園でのお散歩にピッタリですネ。なんか久々にフュージョンな一枚でした。ラス・フリーマンのような、"実は緻密なトータルサウンド!!"という気負いみたいなものがなく、単純に、巧い!気持ちいい!
 アレンジは、前述のJeff Lorberに加え、Darren Rahn、Paul Brownとかです。安心して聞けます。大お勧めデース。

2007年8月15日水曜日

We have cancelled this item from your order.

 がーーーーん。
 上記タイトルのメールが届いた。

 amazon.comフロム米国から送られてくるハズだった、Deana Carterの「Live In Concert」が、在庫無しだと・・・。

 ちょおおおおおショック。

 まぁいいや。その内再販される事を願って時々amazon見てみよう。でもさー。2007年2月発売で、一ヶ月待たされて「We have cancelled this item from your order.」は無いと思うけど在庫が無いなら仕方ない。男の子は諦めが肝心なのだ。

 所で先週、吉沢梨絵ちゃんの「JUICY」を手に入れて、ずっと聴いてます。2000年発売っていうからもう7年前か。
 全曲いいんですが、中でも、2曲目の「no..,NO!」がイイね。何故かこのアルバムで梨絵嬢は怒っており、詞の感じで言うと20代乙女のささくれだった感情むき出しな感じがとてもよろしい。
 ボーナストラックの先行シングルも2曲収められており、そちらも中々。ラストの「ねぇ、何で」は10代の少年(少女?)の挫折感たっぷりのビートバラード系(この表現で正しいかどうかはしらん)。
 昔、角松大先生が杏里のプロデュースをする時、「恋人に振られちゃった女の子」というスタイルでアルバム製作したらしいけど、さしずめ梨絵嬢のこのアルバムは、「彼氏にほっとかれてムカついている彼女」、或いは「彼氏と別れたんだけどウジウジしてる自分が嫌で、何かを探したい彼女」という詞世界のような気がします。
 この独りよがり感が、今風にいうと「萌えぇぇ」ですネ。

 サウンド的には、必要の無い曲間のInterludeがウザい。なんかバランス悪い、というか好みのMIXでは無かった2点を除いて概ね良好。Jay Graydonのソロは中々格好よかったです。また、18曲目「終われない理由~CUBE~」のシングルが出てたので、そっちも買う事にした。シングルのアレンジは、原田末秋御大なので、アルバムのヘロヘロ打ち込みMIXより期待大なのだ。

2007年8月12日日曜日

BS押井特集2 攻殻機動隊/「イノセンス」 2

 そして89年、ありえない事が起こった。士郎正宗が講談社の雑誌で「攻殻機動隊」なる作品を例え不定期とは言え、連載開始したのである。これはかなりエポックメイキングと言わざるを得ない事態であった。

 「未完のまま終わる。絶対に・・・こえー」

 というのが当時の士郎正宗を知るSFファンの偽らざる心情だったのではないだろうか。そして、雑誌掲載があった時点で、切り抜きを作る、なんて古めかしい事をしていた人も多かったのではないだろうか。

 しかし事態は急展開をみせる。連載を終了したばかりか、単行本化までしてしまったのである。そして、「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」として映画化、という事になるのだが、ミリタリ好きな人、SF好きな人、哲学好きな人、宗教にちょっと興味のある人等がコアファンにいて、そんな経緯もあり、士郎正宗ファンにはある意味怖い人が多いのである(自分は末席)。
 例えばダイビングは、元々軍隊のアンダーウォーター接敵訓練を民間用娯楽に置き換えたものだよねー、C4と言えばWW2で米国が開発した可塑性爆薬でしょーぐらいガキでもしってるぜー位のミリタリマニア的要素、サイボーグ、電脳、という言葉の説明も欄外を除いて親切な登場人物による説明はごく限られたSFマニア的要素、その中に出てくる、「GHOST」といったファンタジー的要素を、通常の物語として接して違和感の無い人向けの作品である。この作品は普通の人が読む漫画では決してなく一部のSF、軍事マニア向けのファンタジーがミックスされた限られた人向のパッケージであった。

 現在迄、攻殻機動隊ものは、たった3作で原作は揃う。「攻殻機動隊(1)」、「(1.5)※CD-ROM付」、「(2)」である。
 次作「(3)」がいつ出るのか、またどうゆう形で出るかはわかりませんが。また、攻殻の2巻を理解する為には、「仙術超攻殻オリオン」も一読しておく必要がある。まぁ「~攻殻~」って文字も入ってるし。また、士郎正宗自身の一言コメントと大画面カラーが嬉しい画集「Intron depot (1)」も参考文献でどうぞ。

 ここ迄振り返って、やっと、映画「イノセンス」を見る体制が整う訳です。士郎正宗の作品にしても、押井作品にしても、下準備の知識を仕入れてないとツラいので面倒臭いですが、仕方なし・・・

 で、ハァハァ、映画「イノセンス」は本家の漫画2に比べて随分ウェットだなぁ、というのが第一印象です。
 ただ本家も押井版もどちらも第二弾の方が好きですねぇ。どちらも、「情報の海で生まれた生命体」と融合した後の人物を核として描いている点に於いては一緒ですが、本家2の設定を借りると、この押井2の素子(だった人)は「比較的バトーさんに対して好意(母性?)で接していた素子の摸倣子を(「低知能の変種」であるかどうかは別として)多少強く受け継いだ別人の女性(スピカ、アンタレスとかと同列)」だと考えれば納得いきます。
 しかし「守護天使」は言い過ぎかなぁとも思ったりして。触れあい的な解釈も、単に「元・素子」が、何かのビジネスで、偶然バトーさんと出くわしただけかもしれないんで。ただそうすると、バトーさんが、誤解している変なオヂサンになってしまうので、物語的には成立たない気もするですね。

 本家1.5で軽くバトーを軽くいなしている素子や、本家2でほぼ完全に無視している素子や、OVA版の素子が、本家1の素子に近いのではとも思いますが、本家が恥ずかしがって絶対に書かない素子と人形使いの摸倣子を受け取った女性像を描いたという点においては、こうゆうのもアリかなぁ、と。ただ個人的には素子と一番近い霊格(Ghost)を持ち、更に高いポテンシャルを持って素子をリードでき、恋愛感情に変化出来そうなのって荒巻Bなんだよなー。彼が全身義体化して中年のシヴイおっさんになってたら面白いんだが。名前呼び捨てにしたりして。本家2でも一言、2人が全く同じセリフを別のシチュエーションで喋るシーンもあるし。

 しかしこうゆう感想が考えられたのは、多分このイノセンスという作品の出来が良いからに他なりません。なので、出来れば本家漫画1、映画1、漫画1.5、イノセンス、(仙術超)攻殻オリオン、漫画2という順で作品に接する事をおススメします。
 オリオンは、新巻Bと素子の未来(過去?)の関係を想像出来るのと、Ghostの上空に位置する正宗ワールドを補う上で外せません。

 新巻部長やバトーさんは、進化した人類の、より高度な精神交流が実現する社会の起点に対して、自分が中心となって動けなくちゃイヤ、という我侭より、現在の危機を捌く事の方に重点を置いている為、交わりようがないの?、という質問をどう解釈するかで、この2人の行く末に考えを巡らしてくれ、というのが映画1を作った押井さんのケジメだったようで、そこら辺は原作者より、女性か、若しくはスキだった女はきっとまたアクセスしてくれる筈だと思っている男にやさしい対応だったと言えなくもありません。そうゆう意味では、純粋に映画版第一作目の後日談的「2」としての役割を果たしていると言って良いと思います。

 これを余計なお世話と考えるのが原作マンセー、一般人に対しては恋愛モノに魅せるには説明不足で消化不良、といった印象を与えた事は仕方ないよね。SFって本来完全にオタクな領域ですんで。それを楽しみたけりゃそれなりの基礎知識は必要なのは当然なのにねぇ。
 まぁそれは、各人判断するしかないかな。本家2のドライに未来を模索し続ける主人公こそ、立ち止まらない進化の象徴のようで、より、リアルSFとして迫って来る事は確かですが。

 所で、原作「2」は見る人によって本当に内容理解が違うので面白い。自分の理解は簡単に言えば、

 低知能の変種だったミレニアム(ブタ脳アレイ設計・連結者)と、スピカ(ヒト脳アレイ設計・連結者)の戦いに、荒巻素子が、所属する企業の考査部の仕事で介入する。素子はミレニアムを制圧するが、スピカとアンタレスとの電脳合戦で自爆(フリーズ)してしまう。素子が持っていた珪素生命の設計図と素子の取り扱いについてスピカとアンタレスが揉めている内に、素子が復活(リロード)、スピカと素子で、その珪素生命の去就を決める所迄話しをつけて一応停戦したが・・・、といったストーリーである、・・・と思う。

 何故確証が持てないかというと、幾つかの謎が残る。ちなみに誰か教えて欲しいのだが、

1.スピカとアンタレスとミレニアムと荒巻素子は同一人物ではないか?(草薙素子の分裂症的性格が、「別の義体」を使って発露してるだけ?)

2.荒巻素子が「人形使い」と融合を果たした一人目の人物なのか?(スピカが言うように、草薙と融合する前に、「人形使い」と融合した人物が他に10(16進なら荒巻が3人目って事で2)人、既に居たってことか?素子が言うようにブラフ?)

3.例えば、荒巻とは違う人物(例えばスピカ)が草薙だとする場合、荒巻にある「ピアノ教室の講師だった記憶」というのは公安9課のものではない?

 とか、色々あります。そこいくと「イノセンス」はわかり易いので大親切でしたね。バトーさんの書き方も、そんな元・素子達を、「しょうがねーなぁ勝手ばかりしやがって」と言いつつ眺めている感じで、「縁」は切れてなさそうだし。ただより高次元のヒト的「Ghost」を持つ荒巻Bが、確実に不気味な存在なのが面白い。

 自分的には、はやく「GALGREASE」全編の入った画集をはよーまとめて出しておくれというのがもっかのお願いです。

BS押井特集2 攻殻機動隊/「イノセンス」

 所謂おタク文化というものは、SFと切っても切り離せない関係が70年代中盤~80年代中盤にかけて確かに存在していた。それ以前は、もう筒井大先生や星大先生、松本大先生の作品についてのファンジンで細々と辛うじて生き残っていた文化だった。その最後の作品が'84の押井監督による「ビューティフルドリーマー」だったと今でも考えている。それ以降に登場した作品は、「○○ガンダム」だろうが「マクロス」だろうが、およそSF文化に端を発する日本独特の文化でななく、ただの外国作品の亜流になってしまっているような気がしてならない。
 そして僕もそういった作品を見なくなってしまった。SF文化が好きな人達と、アニメ調の女の子が活躍する作品が好きな人達とはでは、少しだけ違う生き物である。

 しかし、'85年、マイナー系出版社から、そのSF文化の流れを組む作品が、唐突に出てきた。作者は士郎正宗、作品は「アップルシード」。自分はファンジン系に参加するような年齢じゃなかった(少なくとも50年代後半~60年代中盤に生まれている必要がある)し、初めて「アップルシード」を見た時は、昭和40年代の暗黒SFファンジン思想の流れを汲んでいながら、当時蔓延していた、バブル後の世紀末思想みたいなものも取り入れた、近未来を予想させるSFちっくな、SF漫画だったのが、逆に新鮮だった。しかも今時のアニメ調の女の子も主人公として活躍するという、かなりのハイブリッド、エロ性は、中々すごいものがあった(森山塔を知ったのもこの時代であった。あ、関係ナイすね)。

 そんな士郎正宗作品は、知る人ぞ知る作品だっただけに、絶対アニメ化なんかされないだろうし、永久にアングラ文化の中だけの存在なんだろう、と思っていたのだが、自分の様な素人なんかより、アニメ業界のコアな人(SFが好きな人)の目に留まらない筈がない。なので、士郎正宗作品を初版から好んで読んでいる人は、ちょっと昔のおタクさん達なのかもしれない。

 最初に、本人が監督した「ブラックマジック M-66」のOVA以外で、士郎正宗の影響を(というかパクりに近い)濃く受け継いだ作品が目にとまった。「パトレイバー」である。これは士郎作品の「ドミニオン」に出てくる戦車を人型ロボットに変えたものだった。これに絡むのが、押井監督だった。結局自分は、「パクり感」が拭えず、また、アニメは中学以来まーったく見なくなってしまったので、今まで一作品も見ていない。パトレイバーを知ったのは偶々付けていたTVの番宣だったように記憶している。押井監督、原作やるならわかるが、最初から設定だけ間借りしたらパクりやで、と結構ショックを受けた事を覚えている。

※あっ!これだけ書いて攻殻の話にならないし、イノセンスにも行き着かない・・・
<<続く>>

士郎正宗 必修科目
アップルシード
 本編 : アップルシード (1)(2)(3)(4)
 本編(1編)+用語集等オマケ : アップルシードデータブック
 本編(未完)+オリオン用語集+オマケ : アップルシード総集編

ドミニオン
 ドミニオン、コンフリクト編