2007年8月12日日曜日

BS押井特集2 攻殻機動隊/「イノセンス」

 所謂おタク文化というものは、SFと切っても切り離せない関係が70年代中盤~80年代中盤にかけて確かに存在していた。それ以前は、もう筒井大先生や星大先生、松本大先生の作品についてのファンジンで細々と辛うじて生き残っていた文化だった。その最後の作品が'84の押井監督による「ビューティフルドリーマー」だったと今でも考えている。それ以降に登場した作品は、「○○ガンダム」だろうが「マクロス」だろうが、およそSF文化に端を発する日本独特の文化でななく、ただの外国作品の亜流になってしまっているような気がしてならない。
 そして僕もそういった作品を見なくなってしまった。SF文化が好きな人達と、アニメ調の女の子が活躍する作品が好きな人達とはでは、少しだけ違う生き物である。

 しかし、'85年、マイナー系出版社から、そのSF文化の流れを組む作品が、唐突に出てきた。作者は士郎正宗、作品は「アップルシード」。自分はファンジン系に参加するような年齢じゃなかった(少なくとも50年代後半~60年代中盤に生まれている必要がある)し、初めて「アップルシード」を見た時は、昭和40年代の暗黒SFファンジン思想の流れを汲んでいながら、当時蔓延していた、バブル後の世紀末思想みたいなものも取り入れた、近未来を予想させるSFちっくな、SF漫画だったのが、逆に新鮮だった。しかも今時のアニメ調の女の子も主人公として活躍するという、かなりのハイブリッド、エロ性は、中々すごいものがあった(森山塔を知ったのもこの時代であった。あ、関係ナイすね)。

 そんな士郎正宗作品は、知る人ぞ知る作品だっただけに、絶対アニメ化なんかされないだろうし、永久にアングラ文化の中だけの存在なんだろう、と思っていたのだが、自分の様な素人なんかより、アニメ業界のコアな人(SFが好きな人)の目に留まらない筈がない。なので、士郎正宗作品を初版から好んで読んでいる人は、ちょっと昔のおタクさん達なのかもしれない。

 最初に、本人が監督した「ブラックマジック M-66」のOVA以外で、士郎正宗の影響を(というかパクりに近い)濃く受け継いだ作品が目にとまった。「パトレイバー」である。これは士郎作品の「ドミニオン」に出てくる戦車を人型ロボットに変えたものだった。これに絡むのが、押井監督だった。結局自分は、「パクり感」が拭えず、また、アニメは中学以来まーったく見なくなってしまったので、今まで一作品も見ていない。パトレイバーを知ったのは偶々付けていたTVの番宣だったように記憶している。押井監督、原作やるならわかるが、最初から設定だけ間借りしたらパクりやで、と結構ショックを受けた事を覚えている。

※あっ!これだけ書いて攻殻の話にならないし、イノセンスにも行き着かない・・・
<<続く>>

士郎正宗 必修科目
アップルシード
 本編 : アップルシード (1)(2)(3)(4)
 本編(1編)+用語集等オマケ : アップルシードデータブック
 本編(未完)+オリオン用語集+オマケ : アップルシード総集編

ドミニオン
 ドミニオン、コンフリクト編