2007年6月30日土曜日

愛は偉大-不良中年米国人と日系女ディーラー

 スラップスティック小説、というのを始めて読んだのが、トレーシーシリーズだった。作者はウォーレン・マーフィ。この人の文章(というか翻訳者のウマさもあいまって)はリズム感がいいな。
 なにか都会の匂いがします。とはいえ、シリーズの中でも第四作目「豚は太るか死ぬしかない」は、アメリカ探偵作家クラブ賞に輝いていたり、ミステリとしても十分読める内容になっている・・・のだが、このシリーズの読みどころは、やはり「会話の妙」、にある。
 だいたい欧米の映画を日本語字幕でやると、何か別の得体の知れない作品になってしまう事が多いのだけれど、楽しきゃー、いいじゃん。と思っている人にしてみれば、最大の娯楽小説となるに違いない。

 大富豪の酔っ払い女にシンパシーは全くないが、全てジョークにしないと気がすまないトレーシーに何故かシンパシーを感じる。トレーシーの恋人「チコ」もなんか可愛い。

 タイトルが何故「愛は偉大」かは、シリーズを読んでくれればわかる筈。クスっときたら、OKです(オチじゃないですかそうですか)。

二日酔いのバラード
伯爵夫人のジルバ
仮面のディスコテーク
豚は太るか死ぬしかない
のら犬は一生懸命
チコの探偵物語
愚か者のララバイ