2007年6月30日土曜日

米英史観の冒険小説-不良イギリス人

 中東での戦争について、まだ不勉強だった頃読んだ為、あの頃はまだ楽しんで読めたアンディ・マクナブもの。勿論今でも興味深く読んでいることには間違いはないが、再度読み返す必要があるかもなぁ。ただ一環して主人公のニック・ストーンは、ただ、自分の、普通の生活をしてみたいだけなのだ。彼も戦争の犠牲者であることには違いないが、加害者でもある。

 人間が何か作業する時、それは技術を伴う。その技術を、人に危害を加える事と、人からの危害を防御する事、危害を加える事を事前に察知する事、察知した物事を事前に防ぐ為にしなければならない事に絞って訓練された人達が、確かに存在する。そしてその過程で生み出された数々の道具達も存在する。
 アンディが描くこの、ニック・ストーンシリーズは、その"技術”を使って、普通の生活を取り戻そうとする悲しい男の物語です。そして勿論、彼は命令されて、あるいは脅迫されて動くわけです。
 このクソ壷のような状況で、主人公が何を考え、何に苦しんでいるのか考えてみると、作者アンディの気持ちも伝わってくるかもしれません。兵士だって人間なんだ、と。

リモート・コントロール
クライシス・フォア
ファイアウォール
ラスト・ライト
解放の日