佐藤優さんのサンケイWebの連載、「地球を切る」は面白いなぁ。今回は、内調の役人が、秘密漏洩にあたるとして懲戒免職された内容がメインなのだが、切り口は、「情報を得る為のテクニック」である。このテクニックは、池波正太郎の小説「鬼平犯科帳」で、平蔵が市井の人間や、少しコレ者な人達から情報を得る手口とクリソツであるネ。
この旦那、「(贈収賄と国家公務員法違反で、警視庁が東京地検に事件を送致)」との事だが、問題の目の付け所と、今後の対策を語っている。面白いのが、
「一般論として、日本の官僚は子供のころから、褒められてばかりいて、しかられることが極度に苦手な学校秀才型が多いので、他者に認められたいという「認知欲」が肥大している」
と言う下り。これは、「一般論として」と前置きがあるが、中々言葉にするのは簡単でも、短い文章で、端的に相手に伝わる表現にするのが難しい。既に何処かに存在して活用されているマニュアル文章なのかもしれないですネ。ただ、これが、役人や政治家を注視してきた佐藤さんの、「役人や政治家の90%以上がコレに当たる」という分析結果だとしたら悲しいものです。
最後の、「国民の防諜(ぼうちょう)意識を啓発することが重要である。」という文章の、「国民の」は、本当は、「役人や政治家の」なんでしょう。皮肉が通じない奴は困るよな。ご苦労様です。
この件は、自分もネットの記事で見ていて、「重要な情報はなかった」とする内容に違和感を覚えた。なら流した情報を全て見せろ、という訳にもいかない。国民の知る権利で、国民以外の人達の知る所となった時、どうにもならないからで、裁判の内容も公開しない方がいいでしょう。それ位はわかる。ただ別の方法で、その内容が、有用なものが流されていたかいないかを、暗喩で匂わせている。
「インテリジェンスの相場観でみると、この内調職員をロシア側は重視している。それは工作員が後任にこの内調職員を引き継いでいることでわかる。個人的友人は引き継がない。」
という結びなのだが、これはインテリジェンスの・・・と大上段に言わなくても、例えば、会社の営業部員の配置転換で顧客を同僚や後輩に引き継ぐ際はどこでも行われている一般論であり、僕も知っているしやっている。そして「何故、引き継ぐか、引き継がないか」は、その人の能力で決まる。
だけどこの件の内容を分析する時、そこ迄思いつかない。それをさらっと文章にしている所がヤラしい所でもあるネ。
でもどこから「工作員が後任にこの内調職員を引き継いでいることでわかる」って、知った(わかった)んだろう・・・。ネットじゃ見つけきれなかったなぁ・・・
参詣はこうゆうの好きだよね。鬼の首とった様な記事で笑った。