攻殻機動隊のそれぞれのバージョンによる違いの分析:なぜ攻殻機動隊2026アニメに違和感がでるのか?
原作を読んでおらず、映画やSACしか見てない人が、本能的に今回2026年7月から放送開始された原作準拠アニメを受け入れられない、違和感があるという理由は、一番簡単な例でいくと、素子の性格、行動の違い(以下(a)(b)(c)参照)によりどうしても忌避が出るので仕方ない、という話です
そこで、草薙素子を例に違いを素人なりに明確化してみます。どれが好き?という話。比較して楽しむのも良いでしょう。因みに以下(a)の説明が長いのは映画やSACの素子より「人として」面倒臭い奴だからです
・(a) 原作の素子(今回のアニメの素子):好奇心旺盛で欲(正義も含む)にまみれたエゴイスト、圧倒的資本主義者。漫画原作1.5、2.0に繋がる素子
・自己定義: 当初悩むが、ゴーストは変化し、拡張し続けられると最終的に自覚する存在になる
・行動原理: 知識欲と生存本能(アトラクター)、世界の書換え(バタフライ効果)、つまりカオス理論に寄った思考を持っている
・結末の思想: 融合を「新たな進化のチャンス」と捉え、さらに広い世界でやりたい事を突き詰められ、また更に自分を拡張出来る予感として捉える
・次の行動:世界を含む自己の更なる拡張(不確定の現実世界未来への貪欲な移行、漫画原作"攻殻機動隊2.0")。行き着く先は多神教的荒神(かなり迷惑。御神酒と巫女必須)か、または完全な死。但し、同位体をバラまいているので、素子ライクな奴ら(フラクタル)は優劣はあるがポコポコ発生する。原作漫画1.5にも似たような話があるが、比較にならない程はた迷惑な存在
【参考】このカオスな素子面白い!。融合後どうなった?、というのが原作漫画1.5(チョイ出演)、2.0(裏ボス)です。2.0のストーリー云々の前にこの「素子の方向性の理解」と、そんな素子への好意という前提が無いと「なんじゃこりゃ?」になって当然です。原作漫画を読まず映画やSACから入った人は、上述の行動原理、結末の思想、次の行動を頭に入れて読み進めると理解の一助になると...願ってます
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・(b) 映画版の素子:アイデンティティに悩む哲学者
自己定義: 義体(機械)に閉じ込められた自分は、本当に人間なのか
・行動原理: 存在理由の探求
・結底の思想: 「鏡に映る自分を見るような」限界。融合は「不完全な個としての死と、広大なネットへの新生」として受け入れ、超越者(一神教的絶対者か孤高の預言者)として人間から離脱
・次の行動:超越者なので俯瞰し、選ばれし者に時々神託する(イノセンス)。このあと何作作られようが神託するのみの存在か、更なる超越者と対峙するドラゴンボール的展開
【参考】この素子では原作漫画1.5、2.0に接続できません、と言うか、既に一神教的超越者なので世界や自己認知世界を拡張する意味がない
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・(c) SAC版の素子:現実主義的なカッコいいリーダー
・自己定義: 組織や社会との関わりの中で機能するプロフェッショナル
・行動原理: 正義感と、社会のシステムの維持
・結末の思想:「公安9課の草薙素子」という器(個)を維持し、社会の不条理を正すために戦い続ける。融合してない。永遠に続く日常(サザエさん、ドラえもん)
・次の行動:次の事件が延々に繰り返されるのでそれに対処する
【参考】そもそも融合していない素子では原作漫画1.5、2.0に接続できません。9課の日常が繰り返されます。「それをスタイリッシュに描いてくれればいいんだ。それを求めているんだ!」という人も多いですが原作者の趣味とは異なるようです(でもアイディア料払えばやってくれるっぽい?...のか?(笑))
●素子の方向性まとめ
原作(アニメ2026)素子:カオス理論・情報生命・進化・外部拡張
押井素子:存在論・自己とは何か・生命・内面深度増
SAC素子:社会学・組織論・公共性・生命・維持
●「お前の書いた事は気に食わない」となり、更にご自身で考察したいなら...
副読本:PIECES GEM 01 攻殻機動隊データ+α <-ネタバレを含むので2.0まで読んでからの方が良いです。考察好きは買う必要がないです。萎えます
副読本:仙術超攻殻オリオン <-草薙より完全上位の存在の話です(草薙は出ませんが、攻殻世界と地続きです)
その他、漫画「アップルシード」、「ドミニオン」、「W Tails Cat」等の18禁画集、作者は異なりますが漫画「攻殻のパンドラ」等の攻殻世界と地続きの話があります。特に「攻殻のパンドラ」は電書で買うと、カラーで士郎正宗本人の解説やイラスト、設定説明がつくのでお勧めです。全26巻ですが、巻を重ねる毎に解説頁が増量されていきます
おわり